〈 信仰生活のあかし 〉
< 信仰生活のあかし >
聖霊に導かれて
S.O姉
 私が学生時代に聖書研究会が開かれていました。友達に誘われて参加しましたが、ある時に「人間の死」という事がテーマになりました。そして ルカによる福音書16章の「金持ちとラザロ」の箇所を読みました。金持ちは死後、炎の中で苦しみならアブラハムに「ラザロをこちらによこし、私の舌を冷やさせて下さい」と願ったけれど駄目でした。「私達とお前達の間には大きな淵があって、そこを渡ることは出来ない」とアブラハムは言われたのです。素直な私は、これは大変なことだと思ったのです。

 顧問の藤田孫太郎先生は御高齢だったが、満面に笑みを浮かべて、ローマ人への手紙の「信仰により人は義とされる」という話をされました。先生は早口だったし、何のことか分からず、唯、あんなに喜ばしい気持ちになれるのは一体、何だろうと思いました。
 そして、この松阪ルーテル教会に来させていただきました。あの忙しい時に、よくぞ教会に導いて下さったと感謝しております。礼拝には出席せず、小教理問答を学びました。そこで、全知全能の神様のこと、人間の罪のこと、イエス様の贖いの死により神の恵みにより無償で義とされることを学びました。それまでの私は決して善人ではないけれど、罪を犯した悪人でもないと思っていたのです。でも、上手に嘘をついたり、自分の考えだけで自分に都合のいいように、物事を判断し行動するのは罪なんだと分かったのです。
 そうだとしても、20代で、まだ自分の力を信じたい気持ちが残っていた時に,受洗を決断させたものは何だったんでしょうか。
 時々、礼拝に出席すると教会員の方々が親切でした。元々、無口な私は、もう少し、そっとしておいて欲しい等と思ったこともありました。キブレ先生の説教は、ほんわかとしていて、真綿に包まれたような感じになりました。そして、聖壇のこの十字架を見て、私の罪のための、贖いの死により、私は生かされていると分かったのです。
 23歳のクリスマスに洗礼を受けさせていただきました。まさに神様の御導きによるものですが、牧師・教会員の祈りに支えられていたことを感謝しています。
 受洗の時は、数名の方々とご一緒で、とても緊張していたことは覚えていますが、心身が生まれ変わったような気持ちになっていたのかは分からないのです。でも、ほっとして安心感を覚えていたようです。神様の御恵みの下で生活させていただけるのだと感謝しました。
まだ学生で勉強と実習で忙しく、礼拝には余り出席できませんでした。印象深かったのは、園部喜美姉が聖書を眼に近づけて読んでおられ、とても信仰深そうで、私も、あんなになれるのかと心配でした。大王町出身の山本丈喜知兄は詩編をすらすらと暗唱され驚きました。当時の私は聖書を毎日、読むことも出来ず、現実の生活の中で、あわただしく動いていました。
 無事に卒業後は医師としての仕事が始まり、少しは心に余裕が出てきました。職場には数名の信者さんが居ましたが、信仰については話しにくかったのです。
 そして、小さな傷なら数日で治ってしまうのは当たり前と考えていたけれど、毛細血管の再生などは神様が司っておられると気づきました。でも、治療場面では知識と技術が優先でした。そのうちに、医療チームに於いては、相手への配慮や互いの対人関係が大事なことが分かってきました。
コリントの信徒への手紙一13章4節の

「愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたま ない。自分の利益を求めない。」

の通りです。年月を経るに従って私も協調的になっていきましたが、これは礼拝に出席して説教を聞き、信徒の方々との交わりがあったからです。幾年月を経ると、四季折々の自然の移り変わりにも気づかされるようになりました。病院玄関の桜並木は素晴らしく、冷たい風が吹いても、へこたれず、散った後は花の絨毯になりました。この美しい自然を与えて下さった神様は偉大だと思いました。しかし、現実の生活の中では神様の御心から離れていきそうになりました。
 そのような中で、神様に助けられたのは、「死にたい」と訴えられた方に対した時でした。「自殺は他殺同様に罪なんですよ」と言明できました。
最近のことですが、Aさんが次のように話して下さいました。「私は信仰には何も入っていません。でも、朝早く起きてお世話になった方々にありがとうございますと言っています。大分、時間はかかります」
 私は自分が恥ずかしくなりました。私は朝早くから、ざんげと感謝の祈りを捧げられません。私は弱い者です。もっと優しい心になりたいのですが、なれません。隣人を自分のように愛しなさいと言われても出来ないのです。こんな罪深い私を救ってくださった神様に感謝し、もっと御言葉に養われて、信仰生活を続けられますようにと祈っております。

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