〈 信仰生活のあかし 〉
< 信仰生活のあかし >
人生の土台
小林 茂男
 「わたしを『主よ、主よ』と呼びながら、なぜわたしの言うことを行わないのか。わたしのもとに来て、それは、地面を深く掘り下げ、岩の上に土台を置いて家を建てた人に似ている。洪水になって川の水がその家に押し寄せたが、しっかり建ててあったので、揺り動かすことができなかった。しかし、聞いても行わない者は、土台なしで地面に家を建てた人に似ている。川の水が押し寄せると、家はたちまち倒れ、その壊れ方はひどかった。」
(ルカによる福音書6章46節~49節)
 このみ言葉は、山上の垂訓の締めくくりとして語られたところです。宗教的な真理は単に頭で理解するものではありません。聞いて行ってはじめて知る世界です。聞きっぱなしで実践に移れないのでは、知識がどんなに豊かでも何の役にも立ちません。砂地の上に建てられた家と同じ事です。

 悪しき者とは、人生の土台を神に置かない者のことです。才能、知識、財宝、家族、ひとつとして人生の土台を安心してその上に建てられるものではありません。地位しかり、名誉しかり、家族しかり・・・・。ちょっとした事件によっても、それらは崩れ去ります。しかし、神様を土台として生きる時、すべての物を失っても、しっかりと立つことができるのです。
 長い間、人間は科学に対して盲目的に信頼を持ち続けてきました。しかし、科学は未完成なものです。今日の文明を見ればいかにそれがもろいものであったかが歴然たる事実となって、我々の前にあるのを見ます。
 科学的文明、それは絶対といいます。しかし、それは所詮、砂の上の文明です。そういうものを人生の土台と考えて、それのみを求めることを、まさに愚かなことだと聖書は教えています。

 生命が失われても、死の暗闇に立っても、なお生かしてくれるもの、そこにしっかりと人生の土台を置かない限り、一切がありません、無です。と聖書は私たちに告げています。私たちの人生の足を支えているものは何かと、真剣に考えてみる必要があります。
 「主よ、主よ」と口だけ言って、神様から遠ざかっていては、どんなに長く教会に会員として働いていても、いざという時に間に合いません。
 「木の良し悪しは、その実によって知らされる」と言います。どんなに乏しくても、どんなに小さくても、自分の出来ることをして、私に従へ、知識や理論より信仰のみを結べ、と主は言われています。

 自分でできない以上の事はすることはない。与えられた環境で、一所懸命やってみなさい。そうすると、その手を通して、その足を通して、あなた方は永遠の岩の上に立っていることを知ります。ある人は、幸いに満ち、力に満ちて歩みます。その人なりの良い実をきっと結ぶでしょう。
 ところが、聞いても行わない人は、あやふやな足取りで人生を歩むことになり、イエス様の実を結ぶことはありません。

 それでは、そのような信仰の実を結ぶためには、どのように生きていけば良いのでしょう。
 ルカによる福音書6章47節に「私のもとに来て、わたしの言葉を聞き、それを行う人が皆、どんな人に似ているかを示そう。」とあるように第一に「聞く」ということなのです。クリスチャンの第一歩は聞くことから始まります。聞かなければどうして信じるのでしょう。

 偉大なことを考える必要はありません。平凡で良いのです。「聞く」それは耳さえあれば良いのです。そして聞くと同時に、「聞いて行う」ことです。
 知識は行動に移され、はじめて価値を見出します。信仰の確かな基礎の上に立ち、しっかりとした足どりで実際に歩いていくことが大切です。
 人間の肉体、力は年をとれば弱っていきます。信仰生活とは、内なる魂の力、霊の力、生命の力を強くして、永遠のしっかりした岩の上に立って歩くことです。そうして歩いてみると驚くべき経験をします。

 キリストを信じるということは、キリストを宿して生きるということです。この生命たるキリストを持たないと、人は年老いると共に永遠の滅亡に陥ります。しかし、キリストを信じる者は死を越えて永遠の生命に生かされ、死からの開放を経験することができます。
 よみがえりであり、生命である方を信頼して、一切をゆだねて生きる、それがすべてです。
 高層ビルほど、基礎は地中を深く掘ります。人間を高く高くするためには、深く深く掘り下げる必要があります。私たちは人間の土台をしっかりとさせることが必要です。
 「みことば」を聞いて、信じて、行っていくならば、支えてくれる力のあることを知ることができます。聖書には、そのことが語られています。信じて飛び込みましょう。人智を超えて人間変革が行われていきます。思わぬ世界が展開されます。「神は愛なり」と心から叫ばずにはおられなくなります。

 私たち夫婦は、共に導かれ、守られ、支えられて80代を進行させていただき感謝しております。

《 バックナンバー 》
Copyright (C) 2004 Matsusaka Lutheran Church, All Rights Reserved.